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現在フリーのイラストレーターをしている者ですが、若い頃にアシスタントのバイトに行ったマンガ家さんの所のお話を書かせて頂きます。
そのマンガ家さんは昔、「ヤング○ン○ン」で連載をお持ちだった方でして、私は締め切り近くになると呼び出されて何日か通いでマンガの作業を手伝っておりました。
マンガのアシスタントのバイトと言っても、私が行う作業は「ベタ塗り」と言って黒髪のキャラクターや背景の影の部分をペンで塗ったり、仕上がった原稿に「ゴムかけ」と言って消しゴムをかけたりする事でした。
聞いてるだけだと「大した事ないじゃん」と思われるかもしれませんが。
しかし、この先生の原稿は背景や人物が異様に細かいんです!
勿論、私に渡される作業の前段階で、背景を描いているチーフアシスタントの方の方が大変です。
作業も進まず先生に文句を言われてる上に、私や他のアシスタントに指示を出したりして、中間管理って大変だな…と分かっていましたが、こちらの作業も、かなり細かくて目が痛くなります
なんせ、ベタを塗る幅が1mm単位の場所が何か所もあり、塗る場所が、それこそ何百か所とあるのです。
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それが20ページ近く…先生が言うには「慣れていれば、そんなの30分で終わるわよ」と言いますが絶対無理(笑)
チーフさんは「少なくても2時間はかかるから頑張ってね…」と苦笑いでした。
勿論、慣れてくれば1mm単位の所を探し出して塗り潰していくのが楽になり、ちょっとしたゲームの様に感じてきて楽になります。
そんな調子で塗り潰していって完成した時には、かなりの達成感があり、マンガのアシスタント作業を面白く感じられる様になってきました。
消しゴムかけも簡単だと思われるかもしれませんが、これが結構罠があるんですよ…
消しゴムをかける時、普通手を前後に動かしてかけますよね?
マンガの原稿だとこれはNG!
勢い余って紙がグシャ!となった覚えありませんか?これが原稿でやってしまったら…もう目も当てられません…
先生に怒られる事間違いありません(笑)
マンガの原稿に消しゴムをかける時は同じ方向に向かって、ゆっくりとかけるのがコツです。
締め切りが近くなると、焦ってやってしまいがちなミスなので気をつけないといけません。
でも完成して雑誌になった作品が見れると自分も手伝ったんだぞ!と誇らしい気持ちになれるのが、マンガのアシスタントバイトの良い所だと思います。
ちょっと変わったバイトでしたが面白いバイトです。
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